JFA FUR DESIGN CONTEST 2005 – FURTOPIAN~スタイリッシュファー –
グランプリ
松本 渉 Wataru Matsumoto
バンタンデザイン研究所
ラムファーとラムファーの間に毛足の長いゴートを挟みこみ、挟み込んだゴートはツンツン立たせるようにして生地を作る。スカート部分にはゴートを細かく裂いたものを挟み込み使う。カールしたファーと毛足の長いファーの両方とも同じ色を使うことで動いたときの毛の表情や光沢感の違いなどのファーのおもしろさを表現する。
素材:ゴート、スワカラ、カルガンラム、チャイニーズラクーン
優秀賞
相馬 逸人 Hayato Soma
文化服装学院
服が音楽を奏で、踊る。今までの毛皮ファッションと違うスタイルです。
素材:キッド、チベットラム、ゴート、ラビット
近藤 友里香 Yurika Kondo
文化服装学院
テーマは「桜餅」。このロングベストで餅をくるむ葉を表す。葉脈を毛足が短いもので、周りは毛足の長いフォックスを使用し表現。ノースリーブで縦長のすっきりとしたシルエット。葉脈の切り替えしにポケットがあり、前はホックどめ、インナーで桜、あんこを表現しています。皆様どうぞ召し上がって下さい。
素材:シルバーフォックス、キッドラム
サガ・ファー賞
今井 聡子 Satoko Imai
マロニエファッションデザイン専門学校
アイテムはドレス風コート。色やラインでクールにスポーティに、デザインしました。しかしたっぷりとしたシルエットで存在感を持たせ、アシメントリーで一点ものということにこだわりました。デニムとTシャツなどシンプルですっきりしたアイテムとのコーディネートを提案します。
素材:ブルーフロストフォックス、ブルーフォックス
アメリカン・レジェンド賞
吉田 麻美 Asami Yoshida
東京モード学園
全体的に丸みを帯びたフォルムにし、色味を落ち着いたフォックスにして暖かみのあるワンピースに仕上げました。
素材:タヌキ、ウィーゼル、ゴート
特別賞
森谷 仁美 Hitomi Moritani
文化服装学院
レディースにおいてのスタイリッシュ。古い毛皮の洋服をお母さんのタンスから見つけ出し、自分でアレンジした女の子がテーマです。毛皮においてのイメージをそのまま活かし必要性を崩さず、個性を取り入れ、今の時代を生きる女の子のイメージです。
素材:ベビーラム、ゴート、レッドフォックス、チベットラム
入選作品
金増 絵美子 Emiko Kanemasu
フリー
総裏毛皮コートの重くて肩が凝るというイメージを一掃する。毛皮を丁寧に剥ぎ合わせていくことにより、動きやすく無駄のない立体的なシルエットが生まれる。植物タンニン鞣のチベットで育った仔羊を用い、軽くてソフトな特性と、色を加えない素材本来の風合いを最大限に生かした、人に優しく環境を配慮したデザイン。
塚本 良平 Ryohei Tsukamoto
東京モード学園
フィンラクーンをふんだんに使ったグラデーションのコートです。グラデーションといっても染めるのではなく、毛皮本来の毛色を生かし何枚も重ねてグラデーションを表現しました。
飯島 悠介 Yusuke Iijima
杉野服飾大学
狂気じみた美しさをテーマにしました。ファーを既存の服に付けるのではなくスーツが裂け、中から表れるようにし、自己の内面からの破壊を表現しました。人間の暗い部分を攻撃的にスタイリッシュに製作しました。
丸山 悟 Satoru Maruyama
愛知文化服装専門学校
テーマは「ノアの方舟」
様々な動物のファーや布地、アクセサリーが肩を寄せ合い、新天地へと舵をとる。その先は時にフェミニンであったり、時に活動的であったりと着る人のスタイリングで表情を変化させ、自分の個性を主張し、人を魅了させる「スタイリッシュ」な人間へと導き出す。
鈴木 晴美 Harumi Suzuki
愛知文化服装専門学校
3段重ねたフレアースカートの一番上は、毛足の短いファーを使い、穴あきの巻きスカートを作りました。優雅なイメージのある毛皮という素材に、革のベルトを重ね、カジュアルな雰囲気に仕上げました。
河野 聡 Satoshi Kono
愛知文化服装専門学校
細く、ボリュームを持たせない部分にはファーを使わない事で、スマートなシルエットを出しました。
佐原 祥士 Shoji Sahara
愛知文化服装専門学校
“ヘリンボーン”をモチーフに、筒状に重なったファーをヘリンボーンに見立てて作る服。所々にヘリンボーンの花を作り、服全体をファーが流れる様なイメージ。歩く度にヘリンボーンが揺れ、ファーの軽さと量感を出す。
井上 ゆかり Yukari Inoue
名古屋モード学園
作品名「調和と共存」カルガンラムと毛糸をミックス、個性の異なるものが混ざり合い、新しい個性が生まれました。世界中がこの服のように「調和」、そして「共存」できるなら、きっと平和になると思います。
吉田 健也 Kenya Yoshida
フリー
ゴージャス・高価・マダムという言葉が想像される毛皮。高級素材であり、個性の強い素材のため、固定的なイメージと固定的なデザインでカッチリと固められてしまっている毛皮。もう少し良い意味でラフに、そして全体のスタイルで、より毛皮の生きる、カッコ良いデザインをと、心に想いながら描きました。
石毛 紀江 Norie Ishige
杉野服飾大学
人間という動物にしか表現することのできない美しさ、形、バランス。そこから生まれるアート、グラフィックなどの芸術。全身にファーを使いながらも、シンプルで強さのあるスタイルを表現しました。
木田 景子 Keiko Kida
女子美術大学
流れに逆らう訳でも流させる訳でもない。存在を基に、デコレートするのではなく新たな要素を築く。baseに重ねる現代人の重ね着スタイルからbaseを取り除き、毛皮の要素を活かし、パッチワーク切り替えで複数のアイテムに姿をみせる。毛皮の持つ重量感を逆手に毛皮の動き視覚情報、社会情報を演出する。
坂口 和貴 Kazuki Sakaguchi
上田安子服飾専門学校
静と動、強と弱、硬と柔…というものをイメージし、レザーとファーを使いコントラストをつけました。服の所々に無数のハトメを施し、服の所々にポイントなるファーをおく。
原山 なつ美 Natsumi Harayama
長野ファッションカレッジ
この作品では、ドレープやタック、切り替えを使う事で毛皮の持つ色々な感情を出し、作品自体に立体感と動きを持たせました。フォックスのお腹の部分の毛を主に使い、動くなりすぎない様、躍動感のある服に仕上げました。
平野 紗登美 Satomi Hirano
常磐女学院
ファーをバリカンで刈っていき、そこに別色のファーを差し込んでいくことで凹凸感のある新しい素材感を出した。迷路の様に刈って模様を作っていくことで、人々の持つ悩みや考えといったものを1つのコートに大胆に表現した。素材は毛足の固いウィーゼルを使用することで柄の違いをはっきりさせた。
伊藤 美香 Mika Ito
中部ファッション専門学校
思わず触りたくなるような、動物のシッポが何本も重なったようなジャケット。ファーのボリュームを保ちつつ、ウエストシェイプの女性らしいシルエットであるのもポイント。やさしいジャケットにはハードで張りのあるスカートを合わせる。
福井 崇 Takashi Fukui
フリー
内面から湧き出してくるようなパワーをイメージしました。ジャケットの胸部分とスカートには、ニードルパンチと毛皮を使い花模様をつけました。
江刺 亜季子 Akiko Esashi
埼玉県立近代美術館勤務
飲み込み、巻き込むようなボリューム。美しい毛が集まり発生する流れ、うねり、躍動感。パーツの持ち味を生かしながら繋ぎ合わせ、パワフルで生命感溢れる一つの生き物のような衣。服が着る人の個性そのもの。コンセプトは「都会のエスキモー」。かっこいいけもの。
丹治 真理 Mari Tanji
バンタンデザイン研究所勤務
透明感のある素材にファーを縫いとめて、花の模様を作ります。風の中を駆け抜ける女の子のワンピース。胸元にファーの花畑が。
渡邊 巧 Takumi Watanabe
文化服装学院
目まぐるしく変化しつづけ、人々が行きかう都会という人間の文明の灰色のイメージの中で、その「青」はヘビのように流動的で、自由に形を変えていく。その色は力強く、儚く、そして命がある。動物たちへのオマージュとして。
恩田 陽 Yo Onda
バンタンデザイン研究所
テーマは”レイヤード・重ねる”です。
色、毛足の長さの違う三種類の毛皮を、細くテープ状にカットし、ねじって一本の束にしました。そうすることで、色や毛足の長さの違う毛皮が重なり、層になっている様子を表現しました。
吉崎 結一 Yuichi Yoshizaki
バンタンデザイン研究所
「ボルトで固定する毛皮」
全体的な感じは、ミニマムで画家のパレットを意識している。毛皮を挟み込んだ生地をハトメで穴を開け、ボルトで固定する。肩の部分は甲冑をモチーフに作りたい。マニッシュな女性像を表現したい。
荒木 重隆 Shigetaka Araki
桑沢デザイン研究所
螺旋が何層にも重なり体を取り巻く。時の流れのように複雑で自由な形。毛皮はベルシャラム、フォックスを使い平面から立体の流れを表現しました。毛皮のもつ強さをいかし、そしてナイーブさを加え不思議な魅力を放つ作品にしたいと思います。
古庄 由季 Yuki Furusho
名古屋服飾専門学校
私が子供の頃から大好きな「秘密の花園」をイメージしてデザインしました。霧の中で咲き誇る大輪のバラと力強くからまり合う蔦を、パッチワークのようにファーを繋ぎ合わせて表現します。今でも強く私の中に残っている秘密の花園を白黒写真のようにそのまま抜き出しました。
赤川 司 Tsukasa Akagawa
ヤマトインターナショナル(株)勤務
ファーと布帛を組み合わせテーマのプラッド(チェック柄)を表現しました。ジャケットとパンツといった、至ってシンプルなアイテムでスタイリッシュファーを表現し、ファーを新しくメンズでしか出来ない独特の雰囲気を出しました。