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JAPAN FUR ASSOCIATION 一般社団法人 日本毛皮協会 公式サイト

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第8回 土屋アンナさん

 

第8回ファー・オブ・ザ・イヤーを受賞した土屋アンナさん。
2012年11月15日(木)の授賞式当日に行われた、JFA中村友昭理事長との対談の模様をお伝えします。

中村 ファー・オブ・ザ・イヤーの受賞おめでとうございます。
土屋 ありがとうございます! 本当に嬉しいです。
中村 自由奔放であるがままなのに、チャーミングで気品も備えていらっしゃる土屋さんの独特のキャラクターは、時代の象徴ともいえる存在です。
そのキャラクターこそ毛皮の新たな魅力とリンクしているという理由で選ばせていただきました。
いまお召しになっている賞品のコートは土屋さんとご主人でスタイリストでいらっしゃる菊池大和さんのお二人でデザインされたものですが、よくお似合いですね。
土屋 もう、見た瞬間に「ステキ!」って感激しました。肌触りもなめらかで色もきれいで……。
中村 刺毛が多くしなやかで光沢のあるミンクのなかでも、このパステルミンクはたいへん人気のあるカラーのひとつなんですよ。
使用しているパステルミンクは、ミンクのブランドのひとつである北米のミンク養殖団体「アメリカン・レジェンド」のものです。
土屋 そうなんですね。
ファーのコートは昔から私の母が持っていて、子ども心に「カッコいいなぁ、いつか着られるようになりたいな」と憧れていたんです。
このコートのデザインも母のコートのイメージで、もう少し今風にアレンジしてデザインしました。パーティーにも普段にも着られるようにして。
色はピンクなどもカワイイと思ったけれど、60歳ぐらいになっても着られるような色がいいと思って、最終的にこの色を選びました。
中村 長く着ていただけると私どもも嬉しいです。
土屋 母だけでなく祖母も毛皮が大好きだったんですけど、本当に毛皮って「家宝」ですよね。
中村 そうですね。代々受け継がれていくものです。
もちろん新しい発想でいろいろなものも出ていて、今回のファー・デザイン・コンテストは若いデザイナーの感覚で毛皮の新たな魅力を見いだそうという試みでもあります。
土屋 ショーを拝見しましたが、デザイン、色づかいなどが斬新で驚きました。
中村 土屋さんも次回はぜひご応募ください(笑い)。
防寒着としてだけなく、これからはもっとファッションに生かされるファーを目指したいと考えていますが、その流れをつくるのは若い人たちです。
そんな若い人たちに、どうアプローチしていけばいいとお考えですか?
土屋 私はいろいろな国へ行く機会があって、各国のファッションを目にしますが、そのなかでも日本の若い人たちっていろんなファッションを楽しんでいると思います。
いまは価格が安くなっていることもあって、次々にいろいろ買ってオシャレを楽しんでいる。
そのこと自体はすごくいいことなんだけれど、その一方でハイファッション、ハイブランドというものが軽視されている気がします。
若い人たちにも、もっと「いいもの」という価値観を意識してほしいなと思います。いい素材、いいデザイン。
お金がかかるかもしれないけれど、ひとつ「いいもの」を持つというのは素晴らしいこと。
たとえば、たまにファッションショーに行って「いいな、いつか着てみたいな」って夢を見てほしい。
「高いからいらない」じゃなくて、コツコツお金を貯めて「いいもの」を買った時の喜びを味わってほしいと思います。
中村 そうですね。品質のいいものはどうしても値が張るんです。
いいファーをもっと皆さんに着ていただきたくても、価格が高いものは売りにくい。そこが難しいですね。
「いいものをより安く」が私たち業界の課題のひとつですが、値下げばかりを優先して大切なものを失わないようにしなければいけないと思います。
土屋 服にかぎらず、日本にはすごくいいものがたくさんあるでしょう。
職人さんがひとつひとつ手作りしたものだとか。人が心をこめて作ったものをひとつ持つ、というのも人間の成長だと思います。
私だって皮パンツにボロボロのブーツなんていう格好もしていたけれど、いいものを持つ喜びを感じるようになりましたから。
中村 最後に、お仕事やプライベートの面で、これからチャレンジしてみたいことはありますか?
土屋 うーん、私、あまり欲がないんです。モデルのお仕事はオファーがあるかぎりは続けますが、好きでやっている音楽はいつまでも続けたいな。
いろいろな国でライブをやって、人と触れ合って。人と触れ合うのがとにかく好きなんです。
みんなとワイワイやって、毎日笑って楽しいっていうのがいちばんです(笑い)。
中村 どうもありがとうございました。

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