JFA FUR DESIGN CONTEST 2010 – まとう地球の恵み –
グランプリ
伊藤 裕也 Yuya Ito
名古屋ファッション専門学校
雪舟の山水画から着想しました。水墨画のもつ立体的な力強さをデザインに落とし込みました。毛皮は動物から剝される。服として毛皮を脱ぐ=剥ぐという意味も込めました。
素材: パステルミンク
REMIX2010 Bronze Prize
ASIA REMIX2014 Design Showcase部門優勝
優秀賞
林 亜沙美 Asami Hayashi
東京モード学園
毛皮の長さ、色の濃淡を最大限に使用し、暗い所と明るい所を長さ・色で表現します。自然にできる毛の流れや色合いを人間の体にも取り入れ、服が自然と一体になったらどんな毛の流れや色合いになるのか?を表現します。
素材: シャドーフォックス、天津ラム
高橋 篤子 Atsuko Takahashi
文化服飾学院
木の穴に住む動物がまるで地球からの恵みをまとっているように感じました。そこから、人が地球の恵みであるファーの服に住むというイメージを膨らませました。杢目(モアレ)をファーに染色して、自然をまとい、服に住む人間を表現しました。
素材: アメリカンオポサム、フィンラクーン
サガ賞
宮崎 真奈 Mana Miyazaki
名古屋学芸大学
まず、樹木の年輪をファーで表現し、自然と人間との成長をそこに示した。ファーは皮に毛が生えている状態である。では、毛を短く刈り揃え年輪をモチーフに皮まで毛を剃り、皮の質感も同時に味わえる新しいファー素材として使用できるのではないかと考えた。そして、シルエットはファーならではの優美さを表現した。
素材:ラビット、シルバーフォックス
アメリカン・レジェンド賞
横田 よし子 Yoshiko Yokota
(株)山岡毛皮店
誰かの為の夢のあるオンリーワンを作りたくて、ブラックグラマミンクを使い、交互に太くピンタックを入れ、その間には、白の毛皮をはめ込み、凹凸のある、手の温もりを感じさせる服を作りました。
素材: ブラックグラマ、ラビット、シャドーフォックス
HKFF賞
福田 匡祐 Kyosuke Fukuda
杉野学園ドレスメーカー学院
鉱山で見る鮮やかな石の結晶体。独自のオリジナルパーツによる装飾で結晶体を表現。(前かんとホックを組み立てたパーツにスワロフスキーを付ける)ファーで洞窟のイメージを表現し、鉱山の中にある結晶体を表現。
素材: シルバーフォックス、天津ラム
jfa賞
柴崎 博和 Hirokazu Shibasaki
杉野学園ドレスメーカー学院
グラフィックアートからインスプレーションを受け、構築的な線や立体感を、生地の切り替えと、シルバーフォックスの毛足を調節する事によって表現しました。グレーのウールを使用する事によって、グラフィックの持つ線と面の関係を強調しました。
素材: シルバーフォックス
入選作品
檜山 満 Mitsuru Hiyama
文化ファッション大学院大学
ドイツの作曲家、ロベルト・シューマンの歌曲“流浪の民”から着想しました。遥かインドやエジプトからヨーロッパ各地へと移動生活をしてきたジプシーの人達は地球の恵みと共に生きてきました。彼らがファーを身に纏っていた事からそのミステリアスなジプシーのイメージを立体的なフォルムとグラデーションで表現しました。
河 普賢 Ha Bohyun
文化ファッション大学院大学
ひよこが卵から孵る瞬間をイメージし、生きていくあらゆる生命は大きさに関係なくその尊さはまったく同じだという思いを込めてデザインしました。毛皮ならではのボリューム感と染色、逆毛と撫で毛を交互に使用するなど様々なテクニックを駆使し制作。見る角度によって違う表情を作り、いきいきした生命力を表現しました。
川崎 健次 Kenji Kawasaki
文化服飾学院
先進国では服が溢れ、新しいデザインの服はほとんど出尽くしてしまっています。もうそろそろ服が意志を持ち始めてもおかしくないのかなと思い、服にヒトが操られているイメージでデザインしました。
王 艶 Wang Yan
文化ファッション大学院大学
海洋や陸地は生命を孕み、白昼や深夜は力を得る。私たちが毎日暮らしている地球から無限的な生命力を与える。宇宙から地球の印象を取り入れ、そして私たちは地球の一部分として、さまざまな自然環境の中にいる自身を一種の画像を捉えて、宇宙背景の中にそのまま存在する服を表現したい。
山口 大樹 Daiki Yamaguchi
宮島学園ファッションドレスメーカー専門学校
【1.618:安定した美感を与える数値】
美しいと感じる気持ちを数字で測ることが論理的に正しさを導き出せるかどうか、はなはだ疑問であるが、自然界に見られる黄金比には、無条件で美しさを感じてしまう。特に縦横の構成比を展開してできる渦巻きには、生命の不可思議さを覚える。その感覚もまた、私自身に具わる1.618。
野田 涼太 Ryota Noda
エスモード・ジャポン東京校
吉岡徳仁のセカンドネイチャー展からインスピレーションを得ました。偶発的に発生する自然の風景を人口物によって形成する。無機質で透明感のある第2の自然をファーで表現したいと思いました。人類最古の服地の毛皮と光ファイバーを合わせる事で、新たな視覚的美しさを形成し、美しい洋服を提案します。
林 友徳 Tomonori Hayashi
エスモード・ジャポン東京校
Tree and uniting(木と結合)木も葉を纏うように、人間も服を纏います。幻想的な夜の木をデザインソースとし、木と人間が結合するイメージで、特にバランス、量感に気を配りデザインしました。葉に付いた水滴の光り方と、モダンなバランス感を見て欲しいです。
青山 和修 Kazunobu Aoyama
大阪モード学園
コンセプトは「吸収」です。まとうだけでなく体の一部として感じてほしいと思い「吸収」としました。ファーを巻き込んで縫い合わせることで体に吸収され体の一部となっていくイメージを表現しました。
高橋 祐二 Yuji Takahashi
総合学園ヒューマンアカデミー大阪校
幼虫が身を守るサナギの様に、全身を毛皮で覆う。その身、その腕、その脚も、すべてを覆いつくす。
工藤 菜摘 Natsumi Kudo
北海道ドレスメーカー学院
私たち日本人に身近な地球の恵み。「米」昔から日本人の食卓には欠かせない存在。素朴で温かいお米を、暖色で染色した毛皮で表現。作品全体に米粒の形をしたたくさんの毛皮を使用して、オーガニックコットンと麻素材のマクラメ編みのベルトを取り入れ、毛皮の暖かさと自然の温かさ、両方を感じてください。
小林 菜穂子 Naoko Kobayashi
杉野服飾大学
女性の装いに欠かせないジュエリー、その多くが毛皮同様自然の恵みによる物である。毛皮をより手離せない存在にする為にジュエリーと一体化させた。並毛と逆毛を交互に剥ぎ合わせた毛皮にリングでタックを寄せたジャケット、チェーンを交差させたカウ皮のトップス。毛皮とジュエリー双方が光を反射し、女性を輝かせる。
鯨井 りか Rika Kujirai
上田安子服飾専門学校
這いつくばる 伸びる 巻き付く 植物のつるや根。体を侵略して服となり人間と共に生きていく。
田中 靖浩 Yasuhiro Tanaka
上田安子服飾専門学校
工業地帯の夜景。かつて、日本の産業を支えてきた工業地帯。現在では排気ガスや スモッグから公害を引き起こし環境問題となり、近年衰退している所もある。その夜景は、どこか寂しげな美しさを感じる。そんな工業地帯の夜景を毛皮で表現しました。
西村 敦史 Atsushi Nishimura
上田安子服飾専門学校
色彩のロマンチックな世界観に、花の華やかさ、鮮やかさ、毛皮の柔らかさ、上品さを合わせ自然の物が織りなす魅力を存分に表現する。毛皮を一般素材の一つとして使い生地と合わせる事により毛皮の魅力を引き立て、自然との共存を導き出す。自然が持つ圧倒的なスケールを大胆なシルエットとボリュームで表現する。
鈴木 ゆり子 Yuriko Suzuki
名古屋ファッション専門学校
まとう地球の恵みの裏に隠されている地球の裏の世界を表現しました。今、地球は何かに縛られている、その縛っている何かを人が破ってまたあらたな地球を生み出す。そんなイメージでデザインしました。
大上 ゆか Yuka Okami
中部ファッション専門学校
毛は天然素材であり、土に還すことができます。なので、デザインしたワンピース、ポンチョはすべて毛を使用し、毛=大地に見立て大地を身に纏っている様を表現しました。毛はもちろん人間や動物も命をなくしたら土に還ることができ、またそこから命が誕生します。その循環の様子をワンピースの渦で表現しています。
棚橋 亮太 Ryota Tanahashi
大阪モード学園
大木をイメージしてデザインしました。ポンチョとパンツは格子状に布を重ね、木の皮の感触、立体感を表現します。パンツの裾を木の根の様に伸ばし、どっしりと地球に根を張って生きる様を表現しました。それはまさに地に足着いて生きようとする男性が理想とする姿そのものです。
板倉 祐理 Yuri Itakura
大阪モード学園
雨が大地に流れる様子。丸くしたファーと細長いファーで表現する。丸めたファーが雨で細長いファーが大地を現す・ポンチョのようなコート。毛で地球を表現するためにいろいろな形のファーをつなげて地球につつまれているようなコートにする。
堀 雄飛 Yuhi Hori
東京モード学園
この作品はデザインのモチーフに日本の古来からの妖怪、九つの尾を持つ「九尾ノ狐」を現代のウェアにデザインし、その尾をイメージしたものをシャドーフォックスで作り、青と白に染色した毛皮を交互に使用し鮮やかなコントラストのストライプ柄を作り出しています。染色加工により古いモチーフを未来的にリ・デザインしました。
矢口 寛子 Hiroko Yaguchi
杉野服飾大学
人間は一人ではもう生きていけない、一人ひとりが関わり合って一つの生命体になる。地球からもらう恵みを全ての人で分かち合おう。毛足の長いファーを細かく継ぎ接ぎしたり、掻き分けたりして分け目を作り、人が寄り集まり折り重なっている様子を表現しました。
下山 和希 Kazuki Shimoyama
杉野服飾大学
動物たちはどんな険しい道も軽快に走り回ります。そんな動物たちは今度はコートの上にも足跡を残していきました。
三浦 佑也 Yuya Miura
杉野服飾大学
今回、たくさんある地球の恵みの中から、植物に注目した。その中でも雑草の持つ強さや温かい緑の鮮やかさが、女性の逞しさや温もり、美しさと重なり、それらをファーで、表現したいと思った。毛を一定に倒すことで葉の葉脈を表現。ミズオトギリの葉の重なりからイメージ。
竹本 佳世 Kayo Takemoto
杉野学園ドレスメーカ学院
すべての星の中で、唯一水を持つ星、地球。雨が降り、植物が育つ様子を、ヒンドゥー教のクリシュナ神からインスピレーションを受けデザインしました。インドの布「ピチャヴァイ」をイメージした植物の模様が、雫の穴から見えるケープと、異素材を組み合わせ柄を表現した、ワンピースドレスです。