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JAPAN FUR ASSOCIATION 一般社団法人 日本毛皮協会 公式サイト

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異論・反論

「ケイ&リル この世界のために」からのご質問とその回答

「ケイ&リル この世界のために」の福島健一氏から下記のご質問をいただいたので、それに対するお答えをいたします。
ここに掲載されている内容を他で使用する場合は、全文、校正なしでお使いください。

「ケイ&リル この世界のために」からのご質問

<葉書にて>
私は 毛皮の残酷さに気付く事ができました。毛皮の扱いをやめて戴けます様お願いします。
ラビットファーがオシャレだと言えますか。やっぱりおかしい。そう思うんです。

リアルファーを許さない有志5千人の会 
「ケイ&リル この世界のために」 福島健一

日本毛皮協会からの回答

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「ケイ&リル この世界のために」からのご質問

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日本毛皮協会からの回答




アニマルライツセンターからのご質問とその回答

特定非営利活動法人アニマルライツセンターの岡田ちひろ理事から下記のご質問をいただいたので、それに対するお答えをいたします。
ここに掲載されている内容を他で使用する場合は、全文、校正なしでお使いください。

アニマルライツセンターからのご質問


日本毛皮協会からの回答

特定非営利活動法人 アニマルライツセンター
理事 岡田ちひろ様


2月8日の大阪讀賣テレビにおけるニューススクランブルでの私の発言に対するご質問にお答え致します。

1)毛皮動物を養殖する場合に、一番重要な事は、動物がストレスを感じない環境でどれだけ育てられたかという事です。即ち、その動物が本来野生の時に持っていたであろう習慣や環境と著しく異ならない事、餌を正しく調理して与える事などです。それが守られていれば、毛質は良くなり、又、動物が暴れたりしないので、毛が擦れて傷んだりしません。

その次に重要な事は、毛皮を剥ぐ時に、毛の面も皮の面も傷がつかないようにする事です。毛の面に傷がつけば使用面積が減るので、値段が下がってしまいますし、皮の面の傷は、すべての毛を鞣しの工程の途中で失いかねませんので、毛の面の傷よりも更に値段がつかなくなります。(毛は、皮質の中の毛根により存在し、毛根を傷つけると毛は抜けてしまいます。)又、皮の面に多くの動物の血痕が残りますと、温度の上昇などでバクテリアが活性化し、皮が腐ってしまいますので、その場合には、毛皮は無価値になってしまいます。

上記の理由により、毛皮を生きたまま動物から剥がすような愚かな事は、商売として毛皮動物を養殖している者はいたしません。又、養殖業者(毛皮用であろうと食用であろうと)は、サディストではありませんので、生きて苦しむ動物を見て可愛そうだと思わない者もいないと思います。

2)飼育環境が、どれ程毛質に必要かは、1)において既に述べました。又、動物福祉の観点からも、世界の毛皮業者は、改善に努めており、今後も改善を続けて行きます。

3)タヌキが生きたまま毛皮を剥がされる映像は、インターネットで2005年の春頃から流されていたと思います。その映像を見て不快感を持たない人はいないのではないでしょうか?日本・中国・韓国・香港の毛皮協会は、基本的に一年に一度「アジア毛皮貿易会議」を開いておりますが、2005年9月1日に開催されたその会議において、日本として正式に中国に抗議致しました。中国側の代表は、中国皮革協会及びその毛皮専業委員会の副理事長兼主席(国家委員会です。)であり、先方の答弁は、下記の要旨でありました。

A)インターネットで流された映像は、動物養殖の現場で撮られた物ではなく、事実ではない。

B)ただし、中国における動物養殖は(毛皮用も食用も)には、ガイドラインと呼ばれる物がないので、上記の映像とは関係なく基準を制定する。

C)概要としては、動物福祉を考え、
1. 檻の広さを一定以上とし、ストレスを動物が感じないで済む広さにする。
2. 殺す時には、苦痛や怖れのないように即効性のある薬品などを使用したり、即死する手法を使う。
3. 餌は、本来の動物の持つ嗜好に近い物を与える。
などであり、欧米の採用している基準に合わせる。

D)上記ガイドラインは、すぐに養殖業者に通達する。

日本としては、上記を確実に実行してくださいとお願いし、約束しますと言明された事により、映像が事実であるかないかではなく、中国での動物福祉に前進が見られる事を切望した訳です。

4)現在中国では、上記の基準(ガイドライン)に沿って動物養殖が行われておりますが、すべてそうなっている訳ではないようです。一部の人や一部の地域では基準どおりには出来てない事は有り得ます。少し長くなりますが理由を述べます。
従来からの養殖業者に対しては、各地方政府が中央政府の指示により厳しく指導をしますので、ガイドラインに沿った飼育環境になっていっておりますが、農業からの転業者が毎年増え続けており、その人達への指導に手間取っている事があります。
元来、河北省や吉林省などの北部農民は、収入が低く、年間収入が1500元(約20,000円)位しか取れない者が多かったので、中央政府が、それら農民の救済策として、1990年ころから、動物養殖への転業を地方政府に指示し、地方政府が農民の転業を助けて来ました。北部農民は、この転業により、生活レベルが格段に良くなってきているのは事実です。しかし、動物養殖に転業する前の彼らの生活自体が、かなり劣悪であった事から、動物の福祉などという考え方が全くなかったとしても非難は出来ません。収入が増え、生活が向上・安定して初めて動物福祉を考えられる余裕ができる筈です。ですから、時間がかかっても動物福祉の概念が広がって行く事が、中国では重要な事であると考えます。

5)上記が現状であります。

6)当協会として中国の毛皮生産現場を視察に行った事はありませんが、個人として見に行った者は、協会内に多くおります。

7)当協会に限らず、多くの世界の毛皮協会は、「国際毛皮連盟」(IFTF)に加盟しております。「国際毛皮連盟」では、積極的に動物福祉の向上の為に、多くの研究費を動物福祉のための研究に費やしており、それらの結果などから、より良い動物福祉を常に目指し、当協会を含めた各国の毛皮協会に指導をしており、我々も努力しております。

当協会では、今後も動物福祉には最大の努力をして行きます。しかし、動物権利や動物解放を主張される方には与しません。理由を述べます。


人間は、生物の中の動物の一種であり、サルの一種であります。本来であれば、自然界においての法則である食物連鎖の中にあって、食べたり食べられたりしながら、生存者限定で生きられるだけでしたが、言語能力や直立歩行などにより知能を発達させ、文明・文化を築き、地球上で最強の生物種になりました。それでも、19世紀初頭迄は、最多でも5億人の人口でありましたが、産業革命以降、石炭や石油を大量消費するようになり、技術革新もどんどん進み、現在、65億人が地球上に生息しております。この65億人の生活の為にどれだけの生物種が犠牲になっているのか考えた事がありますか?
生物とは、動物・植物・原生生物ですが、ほとんどすべての生物は、生きる為に養分が必要な為に、他の生物の犠牲なくして生存は不可能であります。ですから、動物を食べる事を否定する人はいても、動物と植物の両方を食べる事を否定する人は生きている人の中にはいません。しかし、植物も生物で、それらを殺したり、切ったりしている事も事実なのです。食べるだけでなく、他の生物の棲める場所や環境も人がすべて壊しています。
私は、人間として、その破壊者であるという認識を持ち、地球を豊かで美しい環境のまま子孫に残す為には努力しますが、生物の中の動物の中の脊椎を持つ種の一部のみの権利を主張する気は、全くありません。

犬・猫の件

朝鮮族の人々は、現在も普通に、伝統的食文化として、犬・猫を食べております。その食文化の良し悪しを言うつもりはありませんが、食用で使われて残った毛皮は捨てるべきでしょうか?私は、捨てるべきではなく、資源として使われるべきだと考えます。(毛皮を取る為に、犬・猫を殺す現実はありません。人気がないからです。)

差別の件

人種差別や女性差別を、動物権利と同様に述べておられますが、私は同意致しません。65億人も生息していて地球環境を悪化させている人類であっても、共に、権利を持ち、同等に生きられるべきです。これから2050年に向かい、人口が90億人になる可能性があります。そうなれば、更に多くの他の生物の犠牲が必要になりますが、人類の生存に必要な犠牲と、ごく一部の生物の権利とどちらを優先しますか?私は、人類を優先します。

文化について

文化とは、人間が作り出した娯楽であると私は考えています。スポーツ・芸術・ファッション・ゲーム・飲酒・喫煙など、どれもなくても、ある意味、生きて行けます。しかし、それらのすべてを否定する人は少ないと思われ、一部を否定する人がほとんどだと思います。要するに、好き好きです。嫌いな事はしなければ良いし、好きな事はやれば良いのではないでしょうか?(もちろん、法律を犯すようなことは除きますが。)他人の好きな事や物を非難するのは、人類の文化を生み出した祖先への畏敬否定、あるいは「神」のごとくの振る舞いのような感じを持ちます。

最後になりますが、お願いがあります。私の御返答書をどちらに発表されても構いませんが、部分的に使う事は許可できませんので、全文、校正なしでお使いください。
又、当協会ホームページにおいても、貴団体の質問書全文及び私の御返答書全文を掲載させて頂きますので、ご諒承ください。
御異論ない場合には、4月中旬までに掲載させて頂きます。

以上

平成20年3月28日

社団法人 日本毛皮協会
理事長 水野 昌一