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JAPAN FUR ASSOCIATION 一般社団法人 日本毛皮協会 公式サイト

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毛皮の種類

1.ミンク類

①ミンク/Mink

1866年に野生ミンク(ワイルドミンク)の養殖化に成功、その後1930年代に突然変異種が出現して、メンデルの法則の応用で改良され、現在、25以上のカラーが生産されている。刺し毛は強くしなやかで光沢に富んでおり、綿毛も密度が高くシルキーなため、衣料用として最高の特質を備えた素材と言える。耐久性に非常に優れ、保温力もよい。染色も容易で、非常に多くの色を正確に表現することが可能。抜毛、刈毛などの加工も施されて広く活用されている。
よくある質問:Q.ミンクにブランドがあるって聞いたのですが?



②ウィーゼル/Weasel

広く北半球に分布し、地域により毛色や毛質が異なる。日本産は、ジャパニーズウィーゼル(和名 いたち)、米国産はアメリカンウィーゼル、中国産はチャイニーズウィーゼルと呼ばれる。毛皮として日本で扱われているウィーゼルの大半は、中国産である。黄褐色をした短い刺し毛はミンクに比べシルキーさや光沢の面で劣る。抜き毛や刈り毛、染色されて用いられることが多い。



③セーブル/黒テン/Sable

黒貂(くろてん)とも呼ばれる。ロシア、中国北部、北海道などでも生息するが、一般的には、ロシア産のロシアンセーブルを指す。色は黒褐色から黄褐色までさまざま。毛足はやや長くて非常に柔らかく、保温力に優れていて光沢があり、軽い。毛皮のなかでも最も高級な素材の一つとされている。

2.フォックス類

①シルバーフォックス/銀狐/Silver fox

銀狐は赤狐(レッドフォックス)の突然変異種。カナダ、米国(アラスカ)、ロシア、ノルウェー、フィンランドなどで養殖が行われている。刺毛は長く張りがあり、銀色と黒色がある。黒と銀がはっきり鮮明なものほど良質とされる。天然のまま用いることが多いが、染色すると、銀色の毛だけが染まり、黒色の部分はそのまま残る。綿毛の密度は、ブルーフォックスよりも少ない。 



②ブルーフォックス/青狐/Blue fox

青狐のことで、キツネの中では、もっとも産出量が多い種で、その殆どがスカンジナビア産の養殖。刺し毛は長いが銀狐より短くシルキー。綿毛はやや長く密度も高い。全体にグレー色をしていて、耐久性に優れ、保温力は非常に良い。フォックスの中では、毛皮衣料として最も活用されている種。自然色がグレー系の淡い色のため染色が容易で、多くの色を表現することが可能。コートに合わせて各色に染色するなどトリミング需要も多い素材。



③シャドーフォックス/Shadow fox

ブルーフォックスの変種。ブルーフォックスよりもグレー色が淡く毛質も柔らかく、刺し毛も綿毛も殆ど白色のものもある。淡い色に染色する場合に使用される。



④ブルーフロストフォックス/blue frost fox

毛色は銀狐、毛質は青狐の特性を兼ね備えている。



⑤レッドフォックス/赤狐/Red fox

赤狐のことで、南米を除く全大陸に分布する野生のフォックス。生息地によって品質に大きな差があるが、一般的に、良質のものほど、鮮明で赤味を帯びたオレンジ色をしており、等級の下のものほど色がくすみ、赤褐色や黄褐色をしている。良質なものは、刺し毛、綿毛ともシルキーで長く密度が高いが、中でも火のように赤い色をしたカムチャッカ産のものは、ファイヤーフォックスと呼ばれ、良質とされている。ごくわずかだが養殖もされている。



⑥コヨーテ/Coyote

北米の草原に生息するためプレーリーウルフとも言う。日本ではオオカミとも呼ばれているが、正しくは、ウルフ(Wolf、オオカミ)とは異なる。生息地により、毛質や色にかなりの差があるが、毛色は、黄色みがかった灰色か暗灰色。刺し毛は柔らかいものから硬いものまで幅がある。綿毛の密度は、ブルーフォックスに比べるとやや少ない。



⑦タヌキ/狸/Tanuki

日本全国、中国及びロシア等に生息する。背筋は黒く、褐色から灰褐色の長いシルキーな刺し毛と密生した深い綿毛を持つ。抜毛してシルキーで密度の高い綿毛だけで使われることもある。また、刺し毛は、筆毛としても活用される。中国産の狸はチャイニーズラクーン(Chinese Raccoon)、ロシア産はロシアンラクーン(Russian Raccoon)と呼ばれている。また、フィンランドで養殖されている狸は、フィンラクーン(Finn Raccoon)の呼称を持つ。日本国内では、素材名を表記する場合、「タヌキ」の名称を必ず併記しなければならない。



⑧ラクーン/あらいぐま/Raccoon

和名アライグマ。北米に生息する狸に似た動物。茶緑褐色から緑褐色のやや長い刺し毛と尾にある黒と黄褐色のリング状の斑紋が特色。狸、チャイニーズラクーン、ロシアンラクーン、フィンラクーンなどは、形状は似ているがいずれもラクーンとは別種の動物である。

3.キャット類

①リンクス/大山猫/Lynx

野生ネコの一種で、日本では大ヤマネコと呼ばれる。北米、モンゴル、ロシア地域に生息。毛は長く密で非常に柔らかい。背の部分は、淡い褐色に暗褐色の斑点模様がある。腹部は白く、暗褐色の斑点が鮮明で美しい。大半の毛皮とは異なり、リンクスは腹部の方がその美しさのため価値が高く、重用される。



②リンクスキャット/Lynx cat

北米からメキシコ中部にかけて分布する山猫。リンクスに似ているが、リンクスに比べて小型で、毛足もやや短いが、斑点はより鮮明。リンクス同様、腹側が美しく、価値も高い。リンクスキャットのさらに小さい型の山猫を、ボブキャット(Bob cat)と言う。



③レオパードキャット/Leopard cat

南アジア、マレーシアに分布するベンガル山猫のこと。黄褐色から淡褐色の地に黒褐色の斑紋が特徴。毛は短く、柔らかい。現在、同じ種類の中でも、ワシントン条約で規制されているものがある。日本国内では、「種の保存法」に基づき、展示・譲渡する場合、登録票を添付する義務がある。

4.ラビット類

①ラビット/ラパン/ウサギ/Rabbit/Lapin

南欧が原産だが、家畜化したものが世界各地で見られる。フランス名ラパンも一般的。毛色の種類が多く、それぞれの種類毎に名称が付けられている。代表的なものは、シロウサギ(白色)、チンチラウサギ(灰青色)、ゴマウサギ(灰褐色)、ゴールウサギ(淡褐色、ベージュ色)、クロウサギ(黒色、黒褐色)、ブチウサギ(上記各色の一部分に異なる色が混じっている)。特殊な種類として刺し毛が退化した綿毛だけのレッキス種がある。毛の一部分が細くなっているため、折れたり切れたりし易い性質があるが、刈毛(シェアード)処理をすると、その欠点が解消される。ラビットは、耐久性はやや低いが、染色が容易なことに加えて、比較的安価なため利用範囲は広い。



②チンチラ/Chinchilla

元来アンデス山脈で生息していた野生の小動物だが、現在毛皮用に使われているのはすべて養殖種。刺し毛は退化し、非常に滑らかで柔らかい綿毛のみで構成され、毛の密度も非常に高い。背の部分が濃青淡青色、腹部は青灰色。突然変異種でベージュ系の色もある。皮は軽いが、極めて薄くデリケートで耐久性は低いため、取り扱いには注意が必要。



③リス/Squirrel

毛は短く非常に軽くて柔らかい。軽い素材のため、コートの表地の他、ライナーにも活用されることが多い。グレードのよいものは毛が密で、鮮明なブルーグレーの背部に白色の腹部を持つ。小動物だが立派な尾を持ち、尾の毛はフェイスブラシなどの化粧用の筆に活用される。



④ヌートリア/Nutria

南米アルゼンチン原産のビーバーに似た動物で、水辺に巣をつくり生息している。1954年養殖用に北米から輸入され、各国で飼育が始まった。柔らかい褐色の綿毛と薄茶色の堅くて太い光沢のある長い刺し毛がある。抜毛あるいは刈毛して使われることが多い。



⑤ビーバー/Beaver

北米の川や湖に生息し、ダムを作ることで有名。綿毛は柔らかく密生しているが、茶褐色のやや長い光沢のある刺し毛は堅いため、抜き毛や刈り毛をし、染色して活用されることが多い。

5.ラム類

①カラクルラム/Karakul lamb

カラクル種のラムの総称。ペルシャンラムあるいはアストラカンとも呼ばれる。産地によって南西アフリカ産の「スワカラ(SWAKARA)」のように、商標名がつけられているものもある。毛色は黒色が大半で、他にグレー、茶、白色がある。毛は刺し毛がなく綿毛だけで構成されており、毛丈の分類では極短毛及び短毛で、巻き毛の形状により様々な美しい斑紋が見られるのが特色。その巻き毛の形状、毛足の長さなどにより、タイプ別に分類される。特に毛足が短く軽量なタイプのものは、「ブロードテール」と呼ばれている。



②カルガンラム/Kalgan Lamb

中国産の代表的なラムの一種。白い巻き毛状の綿毛が特色。毛丈はやや短く、毛質はやや柔らかいが光沢に少し欠ける。染色して使用されることが多い。



③チキャンラム/Chekiang Lamb

中国浙江省で産するラム。毛はシルキーで柔らかく、ゆるやかなウェーブ状で光沢がある。染色して使用されることが多い。



④チベットラム/Tibet Lamb

チベット産のラム。毛の短いモンゴリアンラム(Mongolian lamb)の変種で、毛足は非常に長く、白い、くるくるカールした綿毛が特徴。もともと錦綿羊(にしきめんよう)はヤギの毛皮を加工したものだが、チベットラムを代用したため、日本では、錦綿羊ともいう。染色して使用されることが多い。



⑤ベビーラム/Baby Lamb

一般的には生まれたばかりの仔ヒツジの総称。日本では、ニュージーランド産のロムニー種及びその雑種の仔ヒツジで、生後1週間ぐらいのものをいう。黒、茶、グレー、白、ぶち柄がある。カールした毛を伸ばしたり、刈毛して使うことも多い。